地産地消

かつて、曲がったきゅうりや、大きな玉ねぎ、小さな玉ねぎなどはスーパーマーケットに陳列されない時代がありました。せっかく育てた作物を形が悪いからという理由で使わないことは、資源を無駄にし、生産者の負担を増やすことになります。また、作物を遠くまで運ぶと、その分の燃料が必要です。作物のムダと燃料のムダを発生させることになります。最近では、地域で生産した作物を陳列するお店が増えてきました。また、誰が生産したのか表示し、お互いの信頼感を高める取り組みも行われています。生産から消費まで近いために、鮮度も高いという利点もあります。

 一方、電力も地産地消の取組が進められています。従来から、高圧送電線により、遠く離れた発電所から電気を消費地に送ってきました。たくさんの電気を送るためには大きな電線が必要です。電気も遠くに送ると消耗してしまうために、電圧を高くして送ります。近年、再生可能エネルギーが増加して来ました。地域で発電した再生可能エネルギーは必要な分を近くの地域で使い、余った電気を送電線に流すことが始まっています。また、発電した電気を各家庭や工場で蓄え、足りないときに使用し、必要な需要家に売ることも検討されています。この様な取り組みは、発電所の数を夏場のピークに合わせて建設してきたやり方を変える取り組みです。ドイツではこのような仕組みを実現するためのシステムの構想が始まっています。地球温暖化防止のためにも、エネルギーを有効に使うことが必要です。