電気と安全

目に見えないものは危険と考えやすい傾向があります。化学物質の危険性は目に見えないためにその危険度が分からないことで不安になります。電気も目に見えないから危険だと考えがちですが、電気ほど、理屈通りの分野はないようにも思います。低圧電源は触ると感電しますが、通常は痛いだけで死亡までには至りません。しかし、高圧電源は触らないでも近づいただけで避雷することがあります。そのために、電気設備は隔離されており、責任者だけが柵の中に入れるように管理されています。電気主任技術者は電気設備の管理をする役割ですので、点検のために電気設備の柵の中に入ることもあると思いますが、通常は見るだけです。実際に作業をする人は電気工事士です。電気の端子に電気が流れているかどうかを測定する機器として検電器があります。電気設備を扱うときには、元電源を切り、不用意に電源を投入することがないように表示をしたり、鍵を掛けることが基本です。ルールを守っていれば事故は起こりません。「敵を知り、己を知らば百戦あやうからず」の諺の通り、電気の特性を理解しましょう。