電気を蓄える

お金を貯めることが難しいように、電気をためることも難しい課題です。少量の電気は電池に貯めることができますが、電池に貯めた電力も長い時間では無くなってしまいます。大量の電気ではなおさら難しい問題があります。東日本大震災を契機として、電力の課題が大きく議論されてきました。電気は発電して同時に使うことが基本です。従って、今使っている電力は今、発電所で発電されています(正確にはほとんど同時に)。発電所で使っている燃料はほとんどが化石燃料ですが、化石燃料は埋蔵量が有限です。いつかは無くなります。そのために再生可能エネルギーが重要になってきます。再生可能エネルギーは自然エネルギーのために、変動します。太陽光発電は昼間の晴れた日だけで発電されます。風力発電は、ほどよい風が吹く時間と地域で発電されます。発電時間と地域がまちまちなので、発電した電気を貯めることが重要となります。電気を貯める方法として揚水発電が従来から活用されています。揚水発電とはダムの上と下に大きなため池を備えて、余った電力で上の池に水を上げ、必要な時にその水で発電する方法です。しかしながら、設置できる場所が限られていることなどからさらなる増設は難しくなっています。そこで、現在注目されている方法として余った電力で水素ガスを発生させて貯蔵する方法です。水素ガスを燃料として燃料電池を使って必要な時に電気に変えて使用します。しかし、いくつかの課題があります。水素ガスは爆発性があるために保存が難しいこと、体積がかさばることなどです。これらの課題が克服されれば、化石燃料の使用を減らし、持続的な発電が可能になるでしょう。